兵庫県競馬クラス分け～初戦

兵庫県競馬(園田競馬・姫路競馬)の3歳馬以上で行われる競走のクラス分けは、出走した競走種別と着順に応じたポイントを加算していく「ポイント制」、2歳馬の競走は獲得賞金を換算して算出する番組賞金による編成順を使用しています。

「ポイント制」は兵庫県競馬だけが採用しており、他の競馬場とはクラス分けに互換性がありません。しかし、兵庫県競馬にはJRAや各地の地方競馬から転入馬がやってくるため、それらを的確にクラス配置していかないと、草刈り場化するか不利になるかのどちらかに偏ってしまいます。

他場転入馬はどういった形で兵庫県競馬のクラス分けに組み込まれていくのかを中心に、初戦のクラス配置を見ることとしましょう。

出走資格

かつては「アラブ馬のメッカ」とも呼ばれた兵庫県競馬ですが、現在出走資格を持つのは地方競馬全国協会の登録を受けた軽種馬でサラブレッド系満2歳以上の馬となります(ほかに制裁歴等の条件があります)。

一方、転入馬の条件は主に下記のとおりとなっており、5歳以上の古馬は一定の賞金獲得実績が必要となります。

• 2歳以上のサラブレッド系馬
• 2歳から4歳までは入厩時点の収得賞金(純粋な1～5着本賞金獲得総額、以下同じ)は問わないが、5歳以上は収得賞金40万円以上の馬。

クラス分け

来歴が異なる馬が集まる地方競馬だけに、転入馬をどう格付するかは各場とも獲得賞金を目印にあの手この手で調整して格付していますが、兵庫県競馬の3歳以上馬は指標が賞金ではなく兵庫での成績をベースにしたポイントであるため、転入馬の当初クラスをどこにするかは無理やりでも当てはめていくしかありません。

クラス分けの方法は「園田競馬・姫路競馬番組要綱」(以下「要綱」)の「転入馬格付一覧表」にて規定されており、基本的には最終所属場の在籍ランク・クラス、成績から兵庫での当初のクラスが割り当てられる仕組みとなっています。

4(3)歳以上

古馬戦である「4(3)歳以上」は最終所属場の在籍ランク・クラス(以下「他場ランク」)を兵庫でのクラス(以下「当場クラス」)に変換した上で、それに応じて設定されたポイントが付与されます。ただし、いくつか例外があります(時期で判定する場合、判定日は入厩日)。

• 兵庫から転出した馬が1年半以内に兵庫に再転入した場合、転出前の当場クラスに復帰する。ただし他場ランクが転出前の当場クラスより上位になる場合は他場ランクを採用する。
• 過去1年間以内にJRA所属歴がある場合、期間中のJRA時の他場ランクと最終所属場での他場ランクを比較し、上位の方を採用する
• JRAからの転入馬で前走が障害競走の場合は平地最終競走の格付とする
• 高知所属の4歳7月以降の転入馬は過去1年間の所属ごとの最終クラスを比較し、最も上位のクラスを他場クラスとする
• 佐賀所属の5歳以上の転入馬は過去1年間の所属ごとの最終クラスを比較し、最も上位のクラスを他場クラスとする

要綱では旧所属ごとに他場ランクと当場クラスが示されていますが、本稿では兵庫の当場ランクにどの他場ランクが割り当てられるかという視点で作成した表でご紹介します。

3歳単独

1～6月に転入してくる3歳馬は3歳単独クラスへの転入となるため本項のルールで格付けが決定します。基本は4歳以上と同じですが、例外事項は次の通りです。

• JRAでの競走実績(未出走馬は除く)があれば、JRAからの転入馬と同様に扱う
• 転入馬の格付ポイントについて、実績のある馬については別途決定する

2歳

2歳馬のみ番組賞金での編成となるため、転入までの獲得賞金を1戦ごとに換算します。換算率は在籍馬の番組賞金の換算時と同率ですが、JRAからの転入馬は計算結果が50万円未満の場合、50万円に引き上げられます。

兵庫県競馬クラス分け～在籍馬

兵庫県競馬(園田競馬・姫路競馬)の3歳馬以上で行われる競走は、出走した競走種別と着順に応じたポイントを付与し、その数値でクラス分けを行う「ポイント制」と呼ばれる日本の競馬では唯一のシステムを採用しています。一方、2歳馬の競走は獲得賞金を換算...

raceformation-chihokeibaabc.fun

2022.04.05