地方競馬レース編成情報サイト「地方競馬ABC」へようこそ。
このサイトのコンセプト
「地方競馬ABC」は現在全国14主催者15競馬場で開催されている地方競馬に関する情報をまとめるサイトです。特に競馬開催の根本であるレース、その中でも特にレースの編成方法やレースに出走する競走馬のクラス分け(格付け)の情報を主軸としています。
なぜそんなマニアックなサイトを
インターネットによる馬券購入の普及により、21世紀初頭に各地で存廃に揺れた地方競馬は息を吹き返しました。それを踏まえ、各主催者は全国をターゲットとしたインターネットによる情報発信や映像配信を強化。また、一般ファンや現場からの発信もTwitter等のSNSで容易に入手できるようになったことで、一昔前に比べればかなり各競馬場の情報も得やすくなりました。
そんな中、基本とも思える「レースはどうやって組まれるのか」という情報は解説されたものが多くありません。
JRA(中央競馬)も地方競馬も一握りの強豪馬が集う上級のレースより、それ以外の競走が圧倒的に多いのは同じですが、JRAが「4歳以上1勝クラス」「3歳未勝利」といった比較的単純なクラス分けで明示された条件のレースが組まれているのに対し、地方競馬は
「B1-1混合」「A3-2~B3-1」「3歳C1二組」「C2選抜馬イ」「C3一特選」「3歳105.5万円以下」「C3一二三」「3歳B二走一」「C19組」「C2特選(イ)(b)」「B2C1 4歳以上特別」「C1-5記者選抜」「A1・A2」
といった記号暗号のような条件が付されたレースが多数行われています。そして、その条件の付け方は各主催者単位で異なっています。
地方競馬でレースに関して統一されている主な事項は
●格付けは「A」「B」「C」の3段階
地方競馬情報サイト「2010年4月からの競走番組に関する統一事項について」(2010.3.25)より(こちら)
●競走種別は「重賞」「準重賞」「特別」「普通」の4種類
以上。また、この取り決め自体も2010(平成22)年度からはじまったものでそれほど昔ではありません。
中央競馬がJRA(日本中央競馬会)1団体で開催するのに対し、地方競馬は14の地方公共団体が各々で開催する競馬の総称であり、主催者レースを組むのはあくまで個々の主催者。常時交流を行う地区では地区内でクラス分け等で統一したルールを協議して運用する部分があるものの、基本的に詳細は各主催者が自場の実態や方針に踏まえて決定しています。このため、条件戦の競走条件の表示だけでも各地で付け方が異なるのです。
ややこしい?おもしろい?
インターネット投票普及前の地方競馬は、基本的に競馬場や場外発売場の所在地のファンが楽しむものであり、馬の移籍以外は他地域との交流や他場のレースの馬券を購入できる機会もさほどなかったことから、独自ルールを地場のファンが理解すればそれで問題なかったのですが、インターネットで各地の開催をつまみ食いできるようになると、
A1、B2、C3ってどういう意味?
なんで前走負けてるのにクラスが上がってるの?
前はA競馬場の重賞に出てた馬が今日はB競馬場でC級!?
C競馬場のB級とD競馬場のB級ってどっちが強いの?
といった疑問がネット上の配信や書き込みなどで年中見られるようになってきました。こういった疑問に当該場のファンの方が周りにいれば答えてくれるものの、
…まあぶっちゃけた話、理解しなくても目の前のレースの馬券はその時の馬を見れば買えるので、そこまで深堀りする必要はないのかもしれません。
だからか、地方競馬の馬のクラス分けやレースの編成方法に関しては、主催者が簡略的にガイドブックや公式サイトに掲載したり、時々競馬ライターの方が特定場についてコラム記事の中で取り上げたりする程度で、中には関係者やメディアの方が発信したことで初めて知るルールもあるほど。近年は大半の主催者が公式ウェブサイトにルールの原文を掲載して公開していますが、あまり周知する感じもありません。また、地方競馬はJRAではまず見られない選抜によるレースも行って差別化も図っているのですが、こういったレースもPRすることは稀です。
わかりにくいなりの事情はある
根幹たるルールが「ややこしい」とそっぽを向かれるのは興行としては致命的。とはいえわかりやすい統一ルールや単純化を目指そうにも、
- 自場デビュー馬だけでなく地方競馬他場からの転入馬、JRAからの転入馬が混在する。
(ばんえい競馬は除く) - 馬の力量差、実績差が大きい
- 在籍頭数がJRAに比べると圧倒的に少なく差が大きい
- 賞金、手当の水準が違う
- レースへの出走頻度が違う
思いつくだけでもバラバラなところが多すぎて、さらに馬と競走方法がそもそも異なるばんえい競馬もある地方競馬。JRAのように「地方競馬」の枠組みで統一ルールを設けるのは不可能です。
…しかし、考えようによっては同じ競技に13*のルールものが存在する。各競馬場ごとに個性があるのはとても「おもしろい」のでは、と作者は感じるようになり、折に触れて調べるようになりました。
(*主催者数は14ですが、石川県と金沢市は同じ「金沢競馬」を開催しているためルールは13種類です)
もっと知ることでもっと楽しめる?
「魅力ある番組(レース)作り」を常に掲げる各地方競馬。ならばそのレースの「作り方」をまとめて、時々生じる「これはどういうことなんだろう?」という疑問についても考察していけば、ひょっとすると地方競馬の沼に引きずり込むが日頃からもっと深く楽しめる一助になるのではと考え、このサイトを立ち上げました。
トップホースたちの戦いも魅力十分ですが、レース編成はむしろ条件戦の組み方がバラエティに富んでいるので、このサイトはどちらかといえば天井を支える沢山の馬たちのレースの方に重点が当たるような構成です。地元だったり、ネットでたまたま触れたり、あるいは応援馬・愛馬が走る各地の地方競馬の普段のレースのことを知りたい方、気になった地方競馬をじっくり楽しんでみようと思った方、ぜひ眺めてみてください。
サイト名について
クラス分け、レース編成情報をはじめから順に紹介したいという趣旨と、地方競馬のクラス分けは「A」「B」「C」の三段階であることを合わせて、アルファベット順の頭3文字を取った「地方競馬ABC」としました。
「地方競馬ABC」運営者プロフィール
作者:高知けいばメモ
1978年兵庫県生まれ。幼少のころから鉄道(特に大手・準大手私鉄)ファン。2011年京阪電気鉄道のイベントがJRA京都競馬場で開催されたのを見学するついでにはじめて競馬を観戦し、予想する楽しさ、馬の躍動にハマる。しかし、JRAのテレビ観戦ではパドックがちょっとしか映らないとわかり、そこからレース中継を無料で見ることができ、パドックも長く映る地方競馬の存在に気づく。土日に開催していた場の中から高知けいばの熱い勝負と緩い雰囲気に夢中になる。
高知けいばがたまたまレース編成・クラス分けのルール「番組編成要領」を公開していたことからレース編成にも関心を抱き、やがて各地でルールがまるで違うことを知ったことでさらに興味を増して現在に至る。未だ中央、地方競馬とも全場踏覇ならず。
(未:帯広、門別、水沢、船橋、川崎、(新)名古屋、札幌、函館、新潟、福島、小倉)
2013年9月28日よりブログで「高知けいばメモ」を開設。高知けいばへの転出入馬、在籍馬の昇降級等の記録の収集、公開を開始。紆余曲折を経て2021年6月7日より独自ドメインのウェブサイトへ移行。高知けいばを深く楽しむための情報発信が大本線も、地方競馬他場の番組作りに視野を拡大中。
Twitter:@kochikeiba_memo(高知けいばメモ)
当サイト開設:2022年10月11日