東海地区クラス分け~初戦(2022年度)

笠松競馬名古屋競馬東海地区クラス分け

笠松競馬、名古屋競馬の2場で構成される「東海地区」の地方競馬(東海公営)では、2場間で一定のルールに基づき交流が常に行われていることもあり、クラス分けルール(「名古屋競馬番組要綱」及び「笠松競馬番組要綱」、以下「要綱」)は地区で同一運用となるよう調整されています。

東海地区では収得した本賞金(1着から5着まで)に基づいた「番組賞金」を算定し、これを評価指標としたクラス分けを行っています。

なお、名古屋競馬は直近開催回のレース編成状況を掲載した「出走馬一覧表」に格付時の番組賞金を掲載しているため、今の賞金はそれで確認できます。

一方、笠松競馬では番組賞金を確認できる資料は公開していないため、専門紙での確認となります。ただし、笠松競馬公式ウェブサイトからリンクされている専門紙「競馬東海」の簡易版紙面の馬柱には番組賞金が掲載されています。

出走馬の資格

東海地区2場で出走できるのは地方競馬全国協会に登録されたサラブレッド系満2歳以上の馬となっており、主に下記の条件があります(このほか制裁歴による制限もあります)。なお、所定の出走停止処分回数を重ねた馬など、東海地区で出走資格を一度喪失すると、他場で現役を継続できても東海地区では出走できなくなります。

  • 東海地区デビュー馬(未出走馬)は4歳12月末までに管理者への届出を終了した馬
  • 転入馬は2歳以上で出走経験がある馬

「転入馬」と「再転入馬」

転入馬のうち、過去に東海地区に在籍していた馬に関しては下記の通り取り扱いが分かれます。

東海所属最終出走翌日から起算して取り扱い
1年以上経過して東海地区に再転入通常の転入馬と同じ
1年未満で東海地区に再転入東海地区在籍馬扱い(再転入馬)

【名古屋競馬番組要綱の改正】
名古屋競馬令和4年度第15回開催(2022年10月15日)以降、名古屋への再転入馬の取り扱いが下記の通り変更されています。

名古屋所属最終出走翌日から起算して取り扱い
6か月以上経過して名古屋に再転入通常の転入馬と同じ
6か月未満で名古屋に再転入愛知県在籍馬扱い(再転入馬)

※笠松競馬から番組要綱を改正したとの発表がないため、笠松への再転入馬に関して取り扱いが変更されているかは不明です

「翌日から起算して」=翌日を1日目として計算

東海地区在籍馬扱い(以下「再転入馬」)となった場合は通常の転入馬と取り扱いが大きく異なり、

  • 転出前の東海地区番組賞金が起点額
  • 他場所属中に収得した本賞金は下項にある転入馬の「算出基準」で換算して加算。
  • 他場在籍期間中に東海地区の「番組賞金の調整」の時期を跨いでいれば「番組賞金の調整」を行う(「東海地区クラス分け~在籍馬」を参照→こちら)

となっており、再転入馬になることで転出中の成績とタイミング次第では格付けを下げる「番組賞金の調整」が効く可能性があります。

【名古屋競馬番組要綱の改正】
名古屋競馬令和4年度第15回開催(2022年10月15日)以降、名古屋への再転入馬は「愛知県在籍馬扱い」として、下記の取り扱いとなります。

  • 転出前の東海地区番組賞金が起点額
  • 他場所属中に収得した本賞金は下項にある転入馬の「算出基準」で換算して加算。
  • 他場所属期間中の番組賞金の調整は行わない

※笠松競馬から番組要綱を改正したとの発表がないため、笠松への再転入馬に関して取り扱いが変更されているかは不明です

初戦の番組賞金・所属クラスの決定

東海地区デビュー馬は当然初戦の番組賞金はゼロ円。2歳、9月までの3歳馬は馬齢戦、4歳以上馬と10月以降の3歳馬は一般階級(いわゆる古馬戦)C級スタートとなります。

転入馬は生涯の競走成績に基づいて下記の要領で初戦の番組賞金が決定され、同時に所属する階級(クラス)が格付けされます。

ただし、東海地区内での移籍(名古屋→笠松、笠松→名古屋)では番組賞金の再計算は行わず、引き続き同額の番組賞金、階級が維持されます。

【名古屋競馬番組要綱の改正】
名古屋競馬令和4年度第15回開催(2022年10月15日)以降、笠松から名古屋への移籍馬の取り扱いが下記の通り変更されています。

  • 笠松所属時に東海地区での出走がない馬は東海地区内での移籍と見なさない
  • 笠松所属馬として最後に出走した競走以後の賞金調整(3か月ごとに行われる番組賞金の減額)は行わない

※笠松競馬から番組要綱を改正したとの発表がないため、名古屋から笠松への移籍に関して取り扱いが変更されているかは不明です

競走ごとの番組賞金の換算

転入起算日までに出走した生涯全ての競走について、獲得した本賞金に要綱に記載された下表「算出基準」に基づき、その競走の区分に基づいて設定された換算率を乗じて換算します。なお、換算率は転入時の馬齢によっても異なり、高齢馬ほど低率を乗じるルールとなっています。

算出基準

2021年12月までの転入馬

競走区分 2~4歳 5、6歳 7歳以上
JRAの競走 20% 15% 10%
地方競馬のGI、JpnI~III、
JRA認定競走及び
南関東(大井、川崎、船橋、浦和)の競走
30% 25% 20%
上記以外の北海道、兵庫、高知の競走 80% 70% 60%
上記以外の地方競馬の競走 100% 90% 80%

2022年1月以降の転入馬

競走区分 2~4歳 5、6歳 7歳以上
JRAの競走 25% 20% 15%
地方競馬のGI、JpnI~III、
JRA認定競走及び
南関東(大井、川崎、船橋、浦和)の競走
40% 30% 25%
上記以外の北海道、兵庫、高知の競走 80% 60% 50%
上記以外の地方競馬の競走 100% 80% 60%

なお、適用する馬齢を判定する転入起算日に関しては笠松と名古屋で要綱の表現に違いがありますが、基本的には最初にレースに編成された時の馬齢と考えて差し支えないと思われます。

所属場 転入起算日
笠松 入厩日とする。ただし、入厩してから一度も編成されていない馬が
他場へ転出し、再度入厩した馬については、再入厩日で格付する。
12月に入厩した馬のうち、12月末の開催までに編成されていない馬は、
年明けの馬齢で格付けする。
名古屋 転入後、出走申込を行い、編成発表された当該開催の初日を期日とする。

ちなみに、東海地区は2022年1月にルール改正を行っています。番組賞金の計算は最初に東海地区に在籍を開始した時の番組賞金をベースに加算減算を積み上げていく方式であることから、2021年12月までに転入している馬については(既に公式には掲載されていない)改正前の換算率で計算しなければならないため注意が必要です。

競走ごとに換算率を乗じた段階での端数処理は行わず、競走ごとの数値を合算した後に千円未満の端数がある場合は端数を切り捨てます。

最後に、JRAで出走経歴がある馬は算出合計値に20万円を加算します。このため、JRAで入着がなく本賞金獲得なしで東海地区に転入した馬も、20万円の算出合計金額を持ってスタートとなります。

以上により得られた数値を要綱では「算出合計金額」と呼びます。

転入馬格付け表によるクラス・番組賞金の決定

算出合計金額が確定すると、要綱に掲載された「転入馬格付け表」に当てはめることで階級(クラス)と番組賞金が決定します。

2歳、3歳馬の場合、算出合計金額330万円未満なら算出合計金額がそのまま番組賞金となり、クラス分けのない馬齢の単一階級へ入りますが、通年で330万円以上の場合は即一般階級に格付けされることとなります。

一方、一般階級にはA、B、Cの3段階の格付けがあり、4歳(10月からは3歳)以上と一定賞金以上の番組賞金を持つ2、3歳馬が入ります。番組賞金300万円以上は算出合計金額が10段階に区分されており、当てはまる範囲に対して指定された額が番組賞金となります。

転入馬格付け表(原表を一部簡略化)

2歳
算出合計金額 階級 番組賞金
0円~330万円未満 2歳 算出合計金額
330万円以上 B級以上 「一般」の表を適用
3歳
算出合計金額 階級 番組賞金
0円~330万円未満 3歳 算出合計金額
330万円以上 B級以上 「一般」の表を適用

(注)2021年以前の3歳馬は「330万円」を「300万円」に読み替える(ルール改正に伴うもの)

一般
算出合計金額 階級 番組賞金
0円~180万円未満 C級 算出合計金額
180万円~300万円 B級 算出合計金額
300万円~400万円未満 A級 300万円
400万円~500万円未満 A級 350万円
500万円~600万円未満 A級 400万円
600万円~800万円未満 A級 500万円
800万円~1,000万円未満 A級 600万円
1,000万円~1,500万円未満 A級 700万円
1,500万円~2,000万円未満 A級 900万円
2,000万円~3,000万円未満 A級 1,200万円
3,000万円~4,000万円未満 A級 1,600万円
4,000万円以上 A級 2,000万円
タイトルとURLをコピーしました