ホッカイドウ競馬クラス分け~シーズン中

ホッカイドウ競馬クラス分け

ホッカイドウ競馬のクラス分けはシーズン最初の出走時に計算された番組賞金(当初格付番組賞金)を起点に、シーズン中の成績に応じて獲得した番組賞金を都度加算、その合計値で在籍クラスを判定する方式です。

2023年度より番組賞金の算定ルールが大幅に変更され、ホッカイドウ競馬でのシーズン中の成績に関しては競走区分ごとに設定された固定の金額を加算するという、南関東地区で2023年度から採用されているポイント制に近い方式が導入されました。
一方、他場遠征での成績は引き続き本賞金を使用するものの、こちらも計算式が刷新されています。

2歳馬

レベルの高い2歳馬を多数輩出し、所属馬が交流競走で活躍するだけでなく、2歳シーズン終了後に巣立った出身馬が各地の世代重賞戦線の中心となるなど、地方競馬で大きな存在感を持つホッカイドウ競馬の2歳馬戦。馬産地競馬と言われるだけあり、例年4月中旬となる開幕初回から2歳新馬競走が組める所属馬の多さもあって、中央競馬の勝ち上がり方式に近いクラス分けが行われています。

2歳馬の格付区分

格付区分の名称に「新馬」と「未勝利」があるのがホッカイドウ競馬2歳馬の大きな特徴です。ただし、終盤には新馬競走がない開催もあるため、未勝利競走でデビューするケースもあります。

新馬競走だけでシーズン中40R以上予定できるほど2歳馬が在籍するため、勝ち馬だけを上級競走に集める中央競馬のような「未勝利」クラスを設けています。地方他場でも「未勝利戦」を行う場はありますが、これらは競走の出走条件が未勝利馬という選抜戦的な競走であり、未勝利馬をプールするクラスを持つ地方競馬はホッカイドウ競馬と兵庫県競馬の2つで少数派です。

勝ち上がると番組賞金に応じた「1組」~「3組」にクラス分けされます。名称は「組」ですが、地方他場の「級」に相当する位置づけです。

区分条件
1組番組賞金100万円超
2組番組賞金100万円以下
3組番組賞金40万円以下
新馬未出走馬
未勝利番組賞金に関わらず未勝利馬
(新馬競走がない開催の未出走馬含む)

番組賞金の加算

2023年度からのホッカイドウ競馬の競走で得られる番組賞金は、競走を下記の13パターンに分類したうえで、1~5着に対して獲得できる番組賞金が設定されており、実際の獲得賞金に関わらず固定額が番組賞金に加算される方式となりました。

なお、遠征で5着以内に入った場合は、「本年度他主催者の交流競走等において得られる番組賞金」として馬齢を問わず共通の算出ルールが用いられます。(後段で解説)

競走区分 番組賞金(1-2-3-4-5着 単位:万円)
備考
JBC2歳優駿 500 140 105 70 35
 
エーデルワイス賞 300 84 63 42 21
 
重賞(H1) 250 70 52 35 17
(サンライズカップ、ネクストスター門別)
重賞(H2) 200 56 42 28 14
(栄冠賞、ブリーダーズゴールドジュニアカップ、
ブロッサムカップ)
重賞(H3) 150 42 31 21 10
(上記以外の重賞)
オープン 100 28 21 14 7
重賞を除く1着賞金が200万円以上の競走
オープン・1組 70 19 14 9 4
1着賞金が100万円以上200万円未満の競走
1組・2組 50 14 10 7 3
1着賞金が100万円未満の競走
(スーパー)フレッシュ
チャレンジ競走
100 7 6 5 4
 
アタック
チャレンジ競走
80 5 4 3 2
※2着以下馬は加算後の番組賞金が15万円を超える
場合は15万円
新馬 40 5 4 3 2
(JRA認定競走でない新馬競走)
3組 30 4 3 2 1
※2着以下馬は加算後の番組賞金が40万円を超える
場合は40万円
未勝利 15 4 3 2 1
※2着以下馬は加算後の番組賞金が15万円を超える
場合は15万円

3歳条件

2歳と対象的なのが3歳馬の所属する「3歳条件」。3歳馬は競馬を盛り上げる中心的な存在であり、ホッカイドウ競馬でも3歳三冠路線を中心とした馬齢限定重賞・準重賞は通年で設けられていますが、多くの2歳馬が各地へ散る一方、3歳以上で引き続き残る馬、開催のない冬に他場で走って帰ってくる馬が少ないのが長年の懸案のよう。このため一般馬戦の頭数確保を優先してか、最初の開催が終わると早くも上位組から古馬の「一般馬」格付へ移行が開始され、6月はじめには3歳条件戦が終了します。

区分 1回 2回 3回 4回 5回以降
番組賞金300万円超 1組 一般馬編入 全馬
一般馬編入
番組賞金300万円以下 1組 1組 一般馬編入
番組賞金200万円以下 2組 2組 2組 一般馬
番組賞金150万円以下 3組 3組 3組 3組
番組賞金100万円以下 4組 4組 4組 4組
番組賞金に関わらず未勝利馬
(未出走馬含む)
未勝利 未勝利 未勝利 未勝利

(参考)2023年度の場合

  • 第1回門別競馬(4/19~4/27)終了後
    →番組賞金300万超一般馬編入
  • 第2回門別競馬(5/3~5/11)終了後
    →番組賞金200万超一般馬編入
  • 第3回門別競馬(5/17~5/25)終了後
    →番組賞金150万超一般馬編入
  • 第4回門別競馬(5/30~6/8)終了後
    →全馬一般馬編入

なお、3歳条件に入るには馬齢、番組賞金に加え在籍歴による条件が付いており、条件を満たしていない3歳馬はシーズン当初から一般馬の格付けに入るケースがあります。

3歳条件に格付けされる対象馬

  • 3歳の経歴馬(再転入馬含む)
  • 3歳の未出走馬
  • 3歳の転入馬(過去に日本中央競馬会で登録していない馬、または、過去に日本中央競馬会で登録し、未受賞の馬)

番組賞金の加算

2023年度からのホッカイドウ競馬の競走で得られる番組賞金は、競走を下記の8パターンに分類したうえで、1~5着に対して獲得できる番組賞金が設定されており、実際の獲得賞金に関わらず固定額が番組賞金に加算される方式となりました。

4組戦・未勝利戦に関しては、従来通り1着を取らない限りは番組賞金が加算されない仕組みになっており、2~5着で本賞金を獲得しても格付けが上がらない仕組みとなっています。

遠征で5着以内に入った場合は、「本年度他主催者の交流競走等において得られる番組賞金」として馬齢を問わず共通の算出ルールが用いられます。(後段で解説)

競走区分 番組賞金(1-2-3-4-5着 単位:万円)
備考
重賞(H1) 400 112 84 56 28
(北海優駿)
重賞(H2) 250 70 52 35 17
(王冠賞)
重賞(H3) 200 56 42 28 14
(北斗盃、星雲賞)
オープン・1組 100 28 21 14 7
1着賞金が100万円以上200万円未満の競走
1組~3組 50 14 10 7 3
1着賞金が100万円未満の競走
JRA交流競走 70 19 14 9 4
 
4組 40 0 0 0 0
 
未勝利 40 0 0 0 0
 

一般馬

「2歳馬」「3歳条件馬」以外が「一般馬」と規定されており、いわゆる古馬戦の位置づけです。なお、公開されている番組編成要領には記述がありませんが、ネット上で得た情報によると3歳条件戦が行われている期間中で自己条件が3歳条件でも一般馬戦へ格上挑戦することが可能(ただし一度格上挑戦すると成績に関わらず次走以降も一般馬戦出走)であるようです。

一般馬の格付区分

クラス分けは番組賞金に応じて12段階と現在の地方競馬の中では最も区分けが多くなっており、「A級」「B級」「C級」の大区分の下に「1」~「4」の小区分が付いています。一般馬に「未勝利」クラスはなく、勝利数を問わず番組賞金のみで判定されます。

番組編成要領と事前発表される今後4開催分の概定番組で大区分と小区分を分けた記載が見られますが、基本的にはまとめて「A1」「C4」と書かれ、実況中継でもこの表示で「えーいち」「しーよん」と読まれているため下表もそれに基づいています。

一般馬は級内を分割するケースが多く、「C4-4」といったハイフン区切りの表示が見られますが、一般戦におけるハイフン区切りの数字は「組」扱いで「しーよん・よんくみ」と読まれます。

区分番組賞金区分番組賞金区分番組賞金区分番組賞金
A1800万円超A2800万円以下A3600万円以下A4500万円以下
B1400万円以下B2350万円以下B3300万円以下B4250万円以下
C1200万円以下C2160万円以下C3120万円以下C480万円以下

番組賞金の加算

2023年度からのホッカイドウ競馬の競走で得られる番組賞金は、競走を下記の13パターンに分類したうえで、1~5着に対して獲得できる番組賞金が設定され、原則として実際の獲得賞金に関わらず着順に応じた固定額が番組賞金に加算される方式となりました(「A3・A4」のみ例外あり)。

また、従来の一般馬戦は入着で本賞金を獲得すれば番組賞金も加算されていましたが、2023年度より、C級のうち「番組賞金40万円未満で編成する競走」(C4級で組が下の競走と推定)に関しては1着を取らない限り、番組賞金が加算されない仕組みに改められました。

一方、遠征で5着以内に入った場合は、「本年度他主催者の交流競走等において得られる番組賞金」として馬齢を問わず共通の算出ルールが用いられます。(後段で解説)

競走区分 番組賞金(1-2-3-4-5着 単位:万円)
備考
ブリーダーズ
ゴールドカップ
1,200 336 252 168 84
 
北海道
スプリントカップ
1,000 280 210 140 70
 
道営記念 800 224 168 112 56
 
道営スプリント 500 140 105 70 35
 
重賞(H2) 400 112 84 56 28
(コスモバルク記念、ノースクイーンカップ、
ウポポイオータムスプリント、瑞穂賞)
重賞(H3) 300 84 63 42 21
 
準重賞 250 70 52 35 17
 
A1 150 42 31 21 10
 
A2
JRA交流競走
100 28 21 14 7
 
A3・A4 80 22 16 11 5
※獲得賞金が上記額を超える場合、番組賞金は
獲得賞金とする(1万円未満切捨て)
B級 50 14 10 7 3
 
C級
(番組賞金
40万円以上)
40 11 8 5 2
 
C級
(番組賞金
40万円未満)
40 0 0 0 0
※1着馬は加算後の番組賞金が40万円を超える
場合は40万円(同着を含む)

遠征成績

シーズン中に他場に遠征して1~5着に入った場合は、獲得賞金をベースにした番組賞金が加算されます。
2023年度にルールが刷新され、賞金額の範囲に応じて換算率が設定された上で、範囲のほとんどに加算額の上限が設けられています。

表3
「本年度他主催者の交流競走等において得られる番組賞金」

競走種別1~5着賞金
(単位:万円)
加算率加算上限
JRA・海外
平地競走
500以上15%なし
500未満20%75万円
他地方競馬
の競走
1,000以上15%なし
500以上1,000未満20%150万円
200以上500未満25%100万円
100以上200未満30%50万円
50以上100未満35%30万円
50未満40%17万円
(1万円未満切り捨て)
※1~5着賞金には付加賞金を含む

昇級

入着により加算された番組賞金が上位級(3歳条件馬は一般馬競走への編入)の番組賞金の範囲に入れば次回開催より昇級となりますが、「2歳」「3歳条件」は自場他場問わず勝利がないと「未勝利」クラスに留められます。

降級

ホッカイドウ競馬で降級が生じるのは、シーズン初戦時に当初格付が前年度と変動する場合と、2023年度より新設されたシーズン途中に1度行われる番組賞金の特別減額制度による場合の2つです。

特別減額制度の適用が受けられるのは、当初格付の時点で「経歴馬」か「再転入馬」である一般馬である上で以下の条件を満たすことが必要です。
基本的には前シーズンにホッカイドウ競馬である程度走っており、かつ今シーズン初期から出走している馬に対しての恩恵と言え、在厩促進の観点があると思われます。

条件を満たした馬は門別4回開催終了時点のクラスで減額幅が決定され、門別5回開催から減額となります。なお、降級する場合でも1ランクダウンに留めるため、一部のクラスには減額の下限を設けています。

特別減額を受けられる馬

  • 経歴馬(前年度以前における最終出走がホッカイドウ競馬で休催中に移籍していない馬)か再転入馬(前年度にホッカイドウ競馬で出走以降、他地区へ転出し、今年度開催初日前日まで他主催者競走に出走した馬)である一般馬
  • 前年度ホッカイドウ競馬で5走以上(抽休手当支給の抽休、競走取止めは1走とする)
  • 本年度門別2回開催までに出走した馬

※2023年度は
門別2回開催まで=2023年5月11日
門別4回開催終了=2023年6月8日
門別5回開催=2023年6月13日~

特別減額

門別4回終了時
クラス・番組賞金
(単位:万円)
減額 減額後の下限
A1 800超 150万円 700万円未満の場合は700万円
A2 600超800以下 100万円 520万円未満の場合は520万円
A3 500超600以下 80万円  
A4 400超500以下 350万円未満の場合は350万円
B1 350超400以下 50万円  
B2 300超350以下  
B3 250超300以下  
B4 200超250以下 160万円未満の場合は160万円
C1 160超200以下 40万円  
C2 120超160以下  
C3 80超120以下  
C4 40以上80以下 40万円未満の場合は40万円
40未満 減額なし

参考:「令和5年度北海道地方競馬番組編成要領」
   こちら

(ホッカイドウ競馬公式ウェブサイトより)

タイトルとURLをコピーしました