ホッカイドウ競馬クラス分け~シーズン中(2022年度)

ホッカイドウ競馬クラス分け

ホッカイドウ競馬のクラス分けはシーズン最初の出走時に計算された番組賞金(当初格付番組賞金)を起点に、シーズン中の成績に応じて獲得した番組賞金を都度加算、その合計値で在籍クラスを判定する方式です。

一方、状況が異なる「2歳」「3歳条件」「一般」の3区分ごとに区分け方法や番組賞金の加算方法が異なります。それぞれに分けて見ていきましょう。

2歳

レベルの高い2歳馬を多数輩出し、所属馬が交流競走で活躍するだけでなく、2歳シーズン終了後に巣立った出身馬が各地の世代重賞戦線の中心となるなど、地方競馬で大きな存在感を持つホッカイドウ競馬の2歳馬戦。馬産地競馬と言われるだけあり、例年4月中旬となる開幕初回から2歳新馬競走が組める所属馬の多さもあって、中央競馬の勝ち上がり方式に近いクラス分けが行われています。

2歳馬の格付区分

格付区分の名称に「新馬」と「未勝利」があるのがホッカイドウ競馬2歳馬の大きな特徴です。ただし、終盤には新馬競走がない開催もあるため、未勝利競走でデビューするケースもあります。

新馬競走だけでシーズン中40R以上予定できるほど2歳馬が在籍するため、勝ち馬だけを上級競走に集める中央競馬のような「未勝利」クラスを設けています。地方他場でも「未勝利戦」を行う場はありますが、これらは競走の出走条件が未勝利馬という選抜戦的な競走であり、未勝利馬をプールするクラスを持つ地方競馬はホッカイドウ競馬と兵庫県競馬の2つで少数派です。

勝ち上がると番組賞金に応じた「1組」~「3組」にクラス分けされます。名称は「組」ですが、地方他場の「級」に相当する位置づけです。

2歳馬格付区分
区分 条件
1組 番組賞金100万円超
2組 番組賞金100万円以下
3組 番組賞金40万円以下
新馬 未出走馬
未勝利 番組賞金に関わらず未勝利馬
(新馬競走がない開催の未出走馬含む)

番組賞金の加算

1戦ごとの競走成績により番組賞金が加算されていきます。2歳戦はJRA認定競走とそうでない競走の賞金差が大きいためか、競走種類ごとの換算が細かく定められ、一部は本賞金と連動させず着順に応じた固定額を加算するようになっています。

本年度競走で獲得する番組賞金 2歳

競走種類 1着 2着 3着 4着 5着
ダートグレード競走 獲得本賞金の15%
JRA上級認定競走 獲得本賞金の40%
特別競走(1着本賞金100万円以上) 獲得本賞金の70%
スーパーフレッシュチャレンジ競走
フレッシュチャレンジ競走
70.0 10.0 7.5 5.0 2.5
アタックチャレンジ競走 50.0 5.0 3.8 2.5 1.2
新馬・未勝利競走 30.0 2.4 1.8 1.2 0.6
その他の競走 獲得本賞金
他主催者のJRA認定交流競走 獲得本賞金の40%
他主催者のJRA認定競走以外の交流競走 獲得本賞金の15%
(単位:万円 換算後千円未満切り捨て)
  • JRA上級認定競走=H1~H3重賞、ウィナーズチャレンジ競走
  • 新馬=JRA認定競走でない新馬競走
  • アタックチャレンジ競走の1着馬はさらにそれ以前に得られた番組賞金をさらに加算(上限10万円)。また、1着馬以外で賞金算入後の番組賞金が40万円を超える場合は40万円に留める。
  • 2歳未勝利競走で、賞金算入後の番組賞金が40万円を超える場合は40万円に留める

3歳条件

2歳と対象的なのが3歳馬の所属する「3歳条件」。3歳馬は競馬を盛り上げる中心的な存在であり、ホッカイドウ競馬でも3歳三冠路線を中心とした馬齢限定重賞・準重賞は通年で設けられていますが、多くの2歳馬が各地へ散る一方、3歳以上で引き続き残る馬、開催のない冬に他場で走って帰ってくる馬が少ないのが長年の懸案のよう。このため一般馬戦の頭数確保を優先してか、最初の開催が終わると早くも上位組から古馬の「一般馬」格付へ移行が開始され、6月はじめには3歳条件戦が終了します。

なお、3歳条件に入るには馬齢、番組賞金に加え在籍歴による条件が付いており、条件を満たしていない3歳馬はシーズン当初から一般馬の格付けに入るケースがあります。
(「シーズン初戦」編を参照→こちら)

3歳条件馬の格付区分

3歳条件にも「未勝利」クラスがあり、勝ち上がらない限り3歳条件終了まで「未勝利」に留められます。一方、勝利歴のある馬は2歳馬同様番組賞金に応じた数字の「1組」~「4組」に割り振られます。

3歳条件戦は組内の途中で分割されることがあり、その際はハイフンで区切られた「3歳条件4-2」といった表示になり、読み方は「3歳条件よんくみ」となります。

番組編成要領において一般馬への編入条件は番組賞金で示されていますが、クラス分けの番組賞金と一致しているため、組み合わせると下記の通りとなります。

3歳条件馬格付区分
区分 1回 2回 3回 4回 5回以降
番組賞金300万円超 1組 一般馬編入 全馬
一般馬編入
番組賞金300万円以下 1組 1組 一般馬編入
番組賞金200万円以下 2組 2組 2組 一般馬
番組賞金150万円以下 3組 3組 3組 3組
番組賞金100万円以下 4組 4組 4組 4組
番組賞金に関わらず未勝利馬
(未出走馬含む)
未勝利 未勝利 未勝利 未勝利

(参考)2022年度の場合

  • 第1回門別競馬(4/13~4/21)終了後
    →番組賞金300万超一般馬編入
  • 第2回門別競馬(4/27~5/5)終了後
    →番組賞金200万超一般馬編入
  • 第3回門別競馬(5/11~5/19)終了後
    →番組賞金150万超一般馬編入
  • 第4回門別競馬(5/25~6/2)終了後
    →全馬一般馬編入

番組賞金の加算

1戦ごとの競走成績により番組賞金が加算されていくのが基本ですが、重賞・準重賞競走は本賞金額に関わらず着順に応じて加算額が固定されています。

また、2022(令和4)年度より、4組・未勝利競走については番組賞金が加算されるのは1着馬のみ、その加算額も本賞金の7割換算と改められたことで、3歳条件戦に番組賞金をそのまま加算する競走はなくなりました。

本年度競走で獲得する番組賞金 3歳

競走種類 1着 2着 3着 4着 5着
重賞競走(H1) 600.0 168.0 126.0 84.0 42.0
重賞競走(H2) 300.0 84.0 63.0 42.0 21.0
準重賞競走 150.0 42.0 31.5 21.0 10.5
1~3組・JRA条件交流競走 獲得本賞金の70%
4組・未勝利競走 70% 加算しない
他主催者の交流競走 獲得本賞金の40%
(単位:万円 換算後千円未満切り捨て)
  • 3歳条件未勝利競走で転入馬以外が出走し、算入後の番組賞金が30万円を超える場合30万円に留める

一般馬

「2歳馬」「3歳条件馬」以外が「一般馬」と規定されており、いわゆる古馬戦の位置づけです。なお、公開されている番組編成要領には記述がありませんが、ネット上で得た情報によると3歳条件戦が行われている期間中で自己条件が3歳条件でも一般馬戦へ格上挑戦することが可能(ただし一度格上挑戦すると成績に関わらず次走以降も一般馬戦出走)であるようです。

一般馬の格付区分

クラス分けは番組賞金に応じて12段階と現在の地方競馬の中では最も区分けが多くなっており、「A級」「B級」「C級」の大区分の下に「1」~「4」の小区分が付いています。一般馬に「未勝利」クラスはなく、勝利数を問わず番組賞金のみで判定されます。

番組編成要領と事前発表される今後4開催分の概定番組で大区分と小区分を分けた記載が見られますが、基本的にはまとめて「A1」「C4」と書かれ、実況中継でもこの表示で「えーいち」「しーよん」と読まれているため下表もそれに基づいています。

一般馬は級内を分割するケースが多く、「C4-4」といったハイフン区切りの表示が見られますが、一般戦におけるハイフン区切りの数字は「組」扱いで「しーよん・よんくみ」と読まれます。

一般馬格付区分
区分 番組賞金
A1 800万円超
A2 800万円以下
A3 600万円以下
A4 500万円以下
B1 400万円以下
B2 350万円以下
B3 300万円以下
B4 250万円以下
C1 200万円以下
C2 160万円以下
C3 120万円以下
C4 80万円以下

番組賞金の加算

1戦ごとの競走成績により番組賞金が加算されていくのが基本です。ダートグレード以外の重賞・準重賞競走は本賞金額に関わらず着順に応じて固定額が加算されますが、その他の自場での競走は獲得本賞金額がそのまま番組賞金に加算されるため、他の2区分に比べると一番明瞭といえます。

本年度競走で獲得する番組賞金 一般戦

 

競走種類 1着 2着 3着 4着 5着
ダートグレード競走 獲得本賞金の40%
重賞競走(H1) 800.0 224.0 168.0 112.0 56.0
重賞競走(H2) 400.0 112.0 84.0 56.0 28.0
重賞競走(H3) 240.0 67.2 50.4 33.6 16.8
準重賞競走 200.0 56.0 42.0 28.0 14.0
その他の競走 獲得本賞金
他主催者の交流競走 獲得本賞金の40%
(単位:万円 換算後千円未満切り捨て)

昇級

入着により加算された番組賞金が上位級(3歳条件馬は一般馬競走への編入)の番組賞金の範囲に入れば次回開催より昇級となりますが、「2歳」「3歳条件」は自場他場問わず勝利がないと「未勝利」クラスに留められます。

降級

シーズン中に番組賞金を減額するルールがないため、年度途中の降級はありません。

一方、明け4歳以上に対しては馬齢に応じて当初格付番組賞金に算入する過去成績分の番組賞金が割引されます。このため在籍を続けたり、再転入した際には新年度の開始時に前年度最終出走時の格付より降級する可能性があります。

参考:「令和4年度 北海道地方競馬番組編成要領」
全文→こちら

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