金沢競馬のレース編成(2022年度)

金沢競馬レース編成

金沢競馬のレース編成は基本的にシンプルな番組賞金順編成で行われますが、これに加えて対戦相手が混ざるよう特殊な編成ルールを常設しており、それを一部のクラスに適用させて部分的にメンバーを組み替えた競走を組み合わせているのが特徴です。

金沢競馬公式ウェブサイトには番組編成のルールブックである「金沢競馬番組編成要綱」や年度毎に作成されていると思われる「金沢競馬番組」、その他諸規定は公表されていません。ただし、主な項目を抜粋したと思われる「格付けの仕組み」というページでレース編成の概略が紹介されています。

本稿では、当該ページと各開催回で発表される競馬番組等の公表資料を参考として、金沢競馬のレース編成の方法を考察します。

本記事は公式ウェブサイトで公開されている要領、要綱等のルールに、実際のレース編成状況を加味して構成した作者の私見です。

レース編成の流れ

金沢競馬のレース編成は開催回単位で行われます。基本的な開催回中の日取りは1週2日の開催を2週行い、4日間で1開催を形成するのが基本となっています。

レース設定は「概定番組」として開催回初日のおよそ1か月前(2週で1開催を行う場合(以下「シーズン中」)の目安は概ね前々回開催終了の翌日)に発表され、金沢競馬公式ウェブサイトにも掲載されます。この「概定番組」にはその後の諸手続きの日程も記載されています。

当該開催への出走意思を示す「出走申込」は開催初日の10日~2週間前頃(シーズン中の目安は前回開催前半週終了の翌日)が締め切りとなっています。

金沢競馬では重賞・準重賞のほか出走希望を取る競走があり、そこへの出走を希望する場合には出走投票前に「希望投票」と呼ばれる登録をすることができます。一方、出走を申し込んだものの回避する場合は「休場届」を出さなければならないとされており、この2つの申請は開催初日の出走投票日の前々日に締め切られます。

ここまでの申込を踏まえて各レースへの出走馬を編成。翌日には最終的なレース編成である「改定番組」と各レースへの編成馬を示す「出走馬一覧表」が発表されます(概ね開催初日の4日前)。

最終的な出走投票は開催日ごとで開催3日前に行われ、即日出馬表が発表されます。

なお、金沢競馬には開催前半週出走馬が後半週に連闘する競走である「二走表示競走」と呼ばれる競走があり、こちらは前半週の終了翌日に編成馬が発表されています。

金沢競馬レース編成の流れ
  • 手順1
    概定番組発表

    シーズン中は概ね前々回開催終了の翌日

  • 手順2
    出走申込

    シーズン中は概ね前回開催前半週終了の翌日

  • 手順3
    希望投票・休場届提出締切

    概ね開催初日の5日前

  • 手順4
    改定番組・出走馬一覧表発表

    概ね開催初日の4日前

  • 手順5
    出走投票・出馬表発表

    各開催日の3日前

  • 手順6
    レース開催
  • 手順7
    二走表示競走出走馬発表

    前半週開催終了翌日

レースの種別

金沢競馬のレース種別は「重賞競走」「準重賞競走」「特別競走」「普通競走」の4区分。指定交流競走の「白山大賞典(JpnIII)」以外の重賞競走に、独自の格付けは付与されていません。

特別競走は一般馬(古馬)A1級・A2級の全競走と各クラスの1組戦が特別競走となっています。

なお、「特選」と表示される競走がありますが、後述する「特別編成」による編成が対象クラスの1組でも行われた場合、組名が1組ではなく特選となるもので、競走種別としては特別競走に分類されます。

競走距離

金沢競馬場の競走距離は下記の通りです。

周回・1周競走距離
右1200m900m、1400m、1500m、1700m、
1900m、2000m、2100m、2600m
(以下未実施)1300m、2300m

4つのコーナー全てにポケット(引き込み走路)が設けられており、10種類の距離設定が設けられていますが、1コーナーポケットスタートの2300m戦は2015年、また発走直後の直線距離がやや短く見える1300m戦は2018年を最後に未実施。この2距離は金沢競馬公式ウェブサイトで正式に未実施とされています。ただし、1300m戦は近年概定番組で予定されたことはあるものの成立しなかったため、結果不使用が続いています。

全体の根幹距離と言えるのは1500m戦。特に一般馬B1級以下の競走は特別・普通を問わず多くが1500m戦となっているほか、一般馬、3歳問わずJRA条件交流競走もこの距離が使われます。

次ぐ存在が1400m戦。こちらは各クラスの下位組に固まって設定される傾向が強く、上位組でも1500m戦に混じって現れます。1400mと1500mの組み合わせ方は開催回やクラスに関係なく様々で、法則があるのかどうかは読み取れませんでした。

金沢競馬の普通競走はほぼ1500m戦と1400m戦で占められており、ほかの距離が設定されることは極めて稀といえる編成状況です。

1700m戦は重賞・準重賞のほか一般馬A1・A2級の特別競走でよく見られますが、それ以外では特別競走を中心に極稀な設定。1900m戦は重賞・準重賞に加え古馬A1級の特別競走でも設定があります。

900mは近年では一般馬の重賞、準重賞と2歳新馬戦のみの設定。2000m、2100m、2600mは近年重賞限定となっています。

全体の競走の中では圧倒的シェアを占める1500・1400mですが、重賞では牝馬限定戦以外の設定は少なく、3歳や一般馬の重賞では1700m以上の中・長距離戦が中心となっているのが特徴です。

出走馬の編成方法

金沢競馬では開催単位で出走申込した馬を番組賞金を用いて序列化し、番組賞金順に上位から順番にレースに割り当てていく形式が基本となっています。

このほか重賞・準重賞を中心に、序列を問わず希望投票により出走を希望した馬を優先して編成するレースや、番組賞金順で一旦組分けした上でクラスの範囲を指定し、設定したルールに従って出走馬を組み直したレースが行われています。

クラス・組分け

出走申込を行った馬は出走する開催の直前開催までの成績に基づいて番組賞金が計算されます。また、二走表示競走編成の場合は当該開催前半週までの成績による番組賞金となります。

次に、一般馬(古馬と規定により編入される2・3歳馬も含む)、3歳馬、2歳馬ごとに申込馬が番組賞金順に並べられ、当該開催の編成順位が決まります。この際、番組賞金が同額の場合は生年月日の早い馬が上位、誕生日も同じ場合は牡馬(セン馬含む)が上位とされます(希望投票等により賞金順編成でない競走へ編成された馬はこの序列から除かれます)。

金沢競馬では一般馬、3歳馬にはクラスが設定されていますが、番組賞金範囲でのクラス分けを実施しておらず、開催回ごとに各クラスに設定するレース数が決められ、それに合うような頭数配分で編成順位上位から順に「A1級1組、A1級2組…」とレースの序列順に編成しています。

2歳馬の場合はクラス分けがありませんが、3歳馬以上と同様にレース数に合うような頭数配分で序列上位から順に「2歳1組、2歳2組…」となります。

金沢競馬の基本的なレース編成イメージ

編成できる最大の頭数は距離を問わず12頭ですが、必要なレース数を満たした上でクラス内の頭数に不均衡が生じないよう、当初から少ない頭数で編成する場合もあります。

クラスに何レース割り当てるかは基本的に開催回全体の出走頭数に従って設定されますが、一部のクラスには下記のような設定レース数の傾向が見られます(若干の増減はあります)。

クラス上半期下半期
A122
A222
B146
B266
C1
C2
3歳A4なし
3歳Bなし
2歳
「下半期」…3歳馬戦終了後
「ー」…傾向がなく出走頭数に応じて変動すると思われるクラス
※重賞・準重賞がある場合は条件の最上位クラスの競走扱い

出走申込馬のクラス・組分け結果は、改定番組と同時に発表される公式サイトの「出走馬一覧表」で確認することができます。

クラス・組名は、「級」「組」を付けずに表示されます。ネット上の表記はクラスの数字は英数字、組の数字は漢数字で表記されますが(例:「A1一」「C2三」)、主催者から出される出馬表等の紙面では「『クラス』『(機種依存文字である丸囲み記号の数字で組数)』」という表記がされており(例:「A1[1]」「C2[3]」)、正式にはこちらのようです。また、二走表示競走の場合はクラスの後に「二走」(例:「C2二走一」)が付くほか、特別編成による競走は「特別編成」(1組は「特選」)と明示されます。

希望投票

希望投票は出走希望馬を募るレースに対して行うことができ、希望投票した馬はそのレースへ優先的に編成されます。また、希望投票馬だけで出走可能頭数を超えた場合、そのレースは希望投票馬の中から選定が行われます。常設の競走で希望投票が募られるのは下記の競走です。

  • 重賞競走
  • 準重賞競走
  • JRA条件交流競走
  • 距離選択競走

希望投票を行った馬は編成漏れとなった馬も含め改定番組発表時に公表される「出走馬一覧表」にその旨が表示されます。

出走投票

金沢競馬では、編成により作られた1つの組がそのまま各レースに割り当てられるため、改定番組の発表段階で各出走馬の出走レースが固まっています。よって、出走投票はそこへの出走を確定させる手続きとなります。

編成替え

出走日が同一で同一階級内のレースの出走投票数が異なる場合は、出走投票馬の中で出走レースの調整が行われる場合があるほか、頭数によって競走番号(レース順)の変更もあり得るとされています。

2歳馬競走

2歳馬競走は年度の通算第3回からの編成となりますが、新馬戦は6頭以上編成できない場合は実施されません。また、新馬戦以外の競走は7頭以上編成できない場合は実施できません(年度初期の頭数不足時は例外あり)。

2022年度は
「通算第3回」=2022年5月1日~

早期デビューを促すためか、年度最初と2戦目の新馬戦は「スーパードリーム2歳新馬」と称して賞金が高めに設定された競走が行われ、その後は「ドリーム2歳新馬」となります(遅い時期に新馬戦が組まれると単に「2歳新馬」)。

新馬戦以外のレースの編成方法に違いはありません。

なお、2歳馬のうち、番組賞金が600万円を超えた場合、2歳限定重賞・準重賞がない場合は一般馬競走への編成となります。ただし、そのままでは格付けが相当高いため、一般馬戦では番組賞金が90%減額された額で格付されます。(近年走った例はないようです)

3歳馬競走

3歳馬は時期によって出走する3歳馬の範囲が異なります。

開催回番組賞金
200万円以下
番組賞金
200万円超
備考
前年度第21回~第3回3歳馬戦3歳馬戦
第4回~第12回3歳馬戦一般馬戦一般馬戦出走馬は
番組賞金を60%
減額して格付
第13回~第20回一般馬戦一般馬戦番組賞金の減額は
行わない
※開催回は通算回数

2022年度は

  • 「前年度通算第21回~通算第3回」
    →2022年3月13日~5月4日
  • 「通算第4回~通算第12回」
    →2022年5月9日~9月6日
  • 「通算第13回~通算第20回」
    →2022年9月11日~12月24日

3歳馬戦がある時期に一般馬戦格付となる3歳馬は、賞金水準の関係で序列が高くなりすぎないよう、本則通りに計算した番組賞金から60%減額した額で一般馬の序列に組み込まれます。

なお、一般馬戦に格付される3歳馬であっても3歳限定重賞・準重賞・JRA条件交流競走には出走可能です。この際の編成順位決定の際に使用される番組賞金は60%減額前の額で判定されるため、3歳馬戦出走馬より上位の順位となります。

3歳馬競走に関してもレースの編成方法に違いはなく、番組賞金順に上位馬から上位組へ編成されます。

主要・特殊レースの編成

金沢競馬では、重賞・準重賞では出走希望を取り、その中から出走馬を選出してレースを編成します。

一方、興趣あるレースを生み出すため、番組賞金順編成で組まれた組を再編成し、成績や力量、適性の近い馬が集まるようなレースも組まれています。

これらのレースは当該開催回の概定番組にルールが記載されています。

重賞・準重賞競走

出走馬の選定方法は開催回の競馬番組に記載されます。

出走資格は各競走ごとに定められた期日以降に「金沢競馬所属として、金沢競馬の競走か他場の交流競走に出走実績のある」ことが各競走とも共通しており、重賞・準重賞に転入初戦馬は出走不可能となっています。ただし、JRA認定競走の2歳重賞に限り、金沢競馬所属であれば金沢競馬未出走でも例外的に出走可能となっています。
交流競走の他場所属馬は競走毎に示される実施要領・細目に資格が定められます。

出走馬を決める編成順位も概定番組で明記されています。
重賞・準重賞毎に細かい設定は異なっていますが、交流競走の金沢所属枠分も含め、概ね競走成績での選出となっており、以下の順で編成順位が付けられる傾向があります(同条件に複数頭いる場合は番組賞金順)。

  1. 優先出走権のある馬
  2. 希望投票した指定期間内の重賞競走勝ち馬
  3. 希望投票した指定期間内の上位クラス競走勝ち馬
  4. 希望投票した指定期間内の上位クラス競走上位入着馬

優先出走権馬・希望投票馬だけで編成予定頭数を超えた場合は編成順位下位馬から順に編成漏れとなり自己条件への編成となりますが、不足している場合は希望投票をしていない出走資格を有する馬の中から番組賞金の上位馬が編成されます。

通常の特別競走

番組賞金順編成で組まれる特別競走のうち、上位グループのA1級1組~B1級1組までは全て特別競走のため、賞金上位馬は特別競走を走ります。また、2歳馬、3歳馬の1組戦も特別競走のため、一般馬格付けになっていない2歳、3歳馬の番組賞金最上位馬も特別競走となります。

一方、一般馬B2級以下と3歳B級に関しては、賞金順で並んだ結果、たまたま1組のレースが当たる序列に居た馬が特別競走を走るという形になっています。

JRA条件交流競走(特別競走)

金沢競馬で実施されるJRA条件交流競走は「古馬1勝クラス馬との交流競走」と「3歳未勝利馬との交流競走」の2種類。編成頭数は12頭でJRA6頭以内、金沢6頭以内で行われます。

出走資格等は下記の通りとなっています。

    古馬1勝クラス交流 3歳未勝利馬交流



JRA所属 3歳以上1勝クラス条件馬 3歳未勝利馬
金沢所属 3歳以上
A2級1組以下B1級以上
編成予定馬
3歳馬
ただし、JRA認定馬、
JRA条件交流(3歳未勝利)勝馬、
JRA施行競走勝馬は除く
レース名 「加賀〇〇賞」他 「能登〇〇賞」

金沢所属馬に関しては希望投票が受け付けられています。希望投票馬が優先となり、出走枠を超える希望投票頭数となった場合は希望投票馬の中から番組賞金上位が選定されます。一方、出走枠に満たなかった場合は、出走資格はあるが希望投票していない馬の中から番組賞金上位馬が補充されます。
この際、3歳未勝利馬交流戦の3歳一般馬は60%減額前の番組賞金での比較となります。

なお、希望投票する場合は一定の成績が求められることがあります。また、3歳未勝利馬交流のうち、3歳馬の一般馬編入が行われている期間は、一般馬編入されている場合は希望投票しないと編成されない縛りが設けられたりと、レースによって細かい設定が異なっていることがあります。

JRA認定競走(特別競走)

金沢競馬の2歳馬戦におけるJRA認定競走は、2歳重賞の開始前に特別競走が2戦行われた後、JRA認定の重賞競走が3競走実施されます。

特別競走については金沢デビュー馬限定戦で行われ、当該回に出走申込した2歳馬のうち、他場デビュー馬を除いた番組賞金順最上位組が充てられます。
なお、1戦目の認定特別を勝った馬が2戦目の認定特別に出走することも可能です。

特別編成競走

金沢競馬で特殊な編成を行う競走のうち、レース名表示にも出るために目立つのが「特別編成競走」です。
前述の通り出馬表等にも「特別編成」や「特編」と明示され、特別編成で組まれた1組戦は特別競走の「特選」とされます。

特別編成ではそれを実施する隣り合った同クラスの2~4組があらかじめ指定されています(例「B2級1~4組」、「C2級5~7組」等)。
まず本則通りに番組賞金順にクラス・組分けが行われた後、指定された組にいる馬を近3走(他場出走分を含む)の収得賞金合計順(同額の場合は番組賞金順編成の場合と同じ序列決定)でもう一度並び替え、その序列を使って改めて組分けしレースを行うというものです。

特別編成の編成イメージ

並び替えによって序列は番組賞金に関係なく近3走で多く賞金を獲得している順となるため、特別編成上位組は近走成績が比較的良い馬、下位組はその逆となり、通常の編成とは全く違うメンバーになることが期待されるというものです。

ただし最初の馬の集約方法の性質上、対象馬の中にそもそも好成績馬が少ない可能性もあり、そうなると上位組では馬柱の見栄えに差が出る可能性があります。逆に下位組の方が馬柱が冴えないメンバーが集約されるため、パッと見の難易度が高いレースが組まれやすいと思われます。

機械的な成績選抜のため、例えば同じ着外でもレースの質が違う可能性があり、また他場からの転入間もない馬でも在来馬と同様に計算されて序列に並ぶため、特別編成競走は過去の競走履歴の見極めがより重要になるのではと思われます。

距離選択競走

文字通り距離が選択できる競走です。距離選択競走に指定された競走は本則の編成の組とは異なる距離が設定されており、その競走へ希望投票することで優先的に編成されるというもの。この距離選択競走には3パターンあります。

距離選択競走であることは番組表や出走馬一覧表には表示されますが、ネット上の出馬表には表示されません。

複数距離の競走から選択

最も主流なのが距離選択競走を行う組があらかじめ2~3組指定されているパターンです。
対象組の競走には異なる距離が設定されており、編成馬は希望する距離の競走へ希望投票すれば本来の在籍組にかかわらず優先して希望距離の競走に編成されますが、出走可能頭数以上に希望投票が集中した場合、その中の超えた頭数分の番組賞金下位馬はその距離には編成されません。

希望距離から漏れた馬、対象組に編成されたがどの距離でも良い(希望投票していない)馬は集約され、その中の番組賞金上位から距離選択競走の上位組の空き枠→下位組の空き枠の順に編成されます。

特定距離の競走

1組戦だけ2組以下とは異なる距離の距離選択競走とするパターン。希望投票することでその競走に出走となるものです。
ただし、競走成立のために満たすべき希望投票頭数の下限が設けられることがあり、その場合で下限未満の頭数しか希望しなかった場合は不成立となり、改定番組の段階で単なる1組戦に変更されます。

重賞の下の組

古馬オープン重賞のある回で、直下の組となるA1級2組戦が重賞とは別距離の距離選択競走となっている場合があります。
希望投票馬が少ない場合は全体での番組賞金上位馬が重賞に選出されてしまうため、出走陣営側の意思でそれを防ぐ仕組みであり、このタイプのレースがある際の概定番組には、重賞に出走を希望しないA1級編成予定馬は距離選択競走へ希望投票するよう注記されています。

牝馬競走

牝馬競走(限定戦)は毎開催どこかのクラスで設けられています。

牝馬競走の条件設定は「(クラス・組)「以下」」(例「C1五以下」「3歳B三以下」)という形になっており、本則通りに番組賞金順にクラス・組分けが行われた後、牝馬限定競走と指定された組以下に編成された牝馬の中から番組賞金上位の馬が牝馬限定競走へ編成替えされるというものです。
編成上のレースの序列は表示から「以下」を取った位置になり、牝馬が下から上がった分牡馬・セン馬馬が詰められるため、逆に条件直下の組には牡馬・セン馬だけのレースが出来ているものと思われます。

二走表示競走

二走表示競走については要領により実施するとありますが、公表されておらず詳細は不明のため、実際に組まれた結果から類推しています。

二走表示競走は同一開催回の後半週に一般馬のC2級、3歳馬戦実施期間中には3歳B級の競走として行われます。

出走できるのはC2級二走は前半週のC級出走馬、3歳B級二走は前半週の3歳戦出走馬で、どの開催日の競走に出走した馬が出走対象となるかは競馬番組でその都度指定されます。指定された日にC1級や3歳A級が行われている場合もありますが、二走表示競走はC2級二走、3歳B級二走として行われます。
なお、3歳B級二走戦の場合、編成対象日に3歳の重賞・準重賞・JRA条件交流競走が行われていても、それらの競走の編成馬は出走できません。

二走表示競走への編成馬は、開催前半週が終了した時点での番組賞金の序列で編成されて発表されます。

なお、一般的にイメージされる連闘戦とは違い、開催前半週に出走した馬に加え、レースに編成されるも回避した馬(前半格付休馬)も、この競走に出走することができます。

この競走は番組賞金下位馬が優先して出走できることとなっており、編成段階でフルゲート(1競走12頭)を越えている場合、1レースにつき前半格付休馬も含む出走申込馬の中から下位12頭までの編成となります。続く2頭までは補欠扱いに。さらに番組賞金の高い馬がいる場合、その馬は「編成漏れ」と指定されて除外となります。
補欠馬は出走投票の結果、枠が空けば出走できますが、空かなかった場合は同様に「編成漏れ」と指定され除外になります。

ただし、編成漏れとなった馬が次回開催の二走表示競走にも出走を申し込んだ場合は、「二走編成優先馬」して番組賞金に関係なく優先出走できるようです。

公式系ウェブサイト レース編成関連ページ

格付けの仕組み

概定番組・改定番組・出走馬一覧表

番組賞金入り出走馬一覧

専門紙「競馬ホープ」の公式ウェブサイトに設置されている「開催別出走予定馬 馬柱」のページには、直近開催回のレース別編成馬が専門紙の紙面形式で掲載されており、このうち「キンキ」版には番組賞金も表示されています。(二走表示競走は掲載されません)

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